ぼくらのなまえはぐりとぐら―絵本「ぐりとぐら」のすべて。
ぼくらのなまえはぐりとぐら―絵本「ぐりとぐら」のすべて。福音館書店母の友編集部
「ぐりとぐら」愛読者のための「公式副読本」。
「ぼくらのなまえはぐりとぐら このよでいちばんすきなのは…」
この詩を「こう歌っています」と読者から寄せられた楽譜を、116曲掲載(うち11曲は付録のCDに収録)。童謡「ぐりとぐら」日本各地バージョン一挙掲載、といった趣。そのほか著者へのインタビュー、Q&Aコーナー、あのフライパン・カステラなどの料理の作り方、人形、バッジ、衣装の作り方など、情報が満載だ。さらに、世界21か国語で訳されている「ぐりとぐら」が、それぞれどのようにリズミカルな語り口を再現しているのか、サワリの部分(英語、中国語、韓国語は全文)が紹介されており、CDで語感を楽しめる。
また、「ぐりとぐら」の魅力についての読みごたえのある作品評もある。長谷川摂子は体つきも心情も見分けのつかないぐりとぐらの「交換可能な意識のありよう」に、「心の中に自分を反映するもう一人の自分が芽生えて」くる3歳前後の子どもの心理を見、これは「この広い世界でひとり立っている自分をべつの誰かと相照らしあって確かめ合う、対等な人間関係の本来的なよろこび」の発見だとする。 また、ジュヌビエーブ・パット(フランス)は、「人生のこの時期、精一杯濃密な生を、肉体的なやり方で生き」ている子どもたちを、驚きと探求の物語に引き込むためのさまざまな効果的「しかけ」を「ぐりとぐら」の中に発見していく。
親、教育者、絵本愛好家、また絵本作家を志す人にも得るところが多い読み物。(翁 ゆり)
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