とにかくさけんでにげるんだ―わるい人から身をまもる本


とにかくさけんでにげるんだ―わるい人から身をまもる本
ベティー ボガホールド



子どもが性的虐待や誘拐といった暴力・犯罪から身を守るための知恵を説いた絵本。児童虐待をテーマとした『あなたはちっともわるくない』の著者安藤由紀が翻訳し、絵本作家河原まり子がイラストを描いている。深刻なテーマながら、透明水彩のやさしい色合いが、子どもへの温かなまなざしを感じさせるものとなっている。

カナダの小学校で副読本として使用されていたというこの絵本は、子ども自身が自分を守る力を身につけることを目的としている。紹介されるのは、迷子になったときや知らない人に声をかけられたとき、あるいは不審な人に体を触られたときに「誰に助けを求めるか」「どこへ逃げるか」といった具体的な対処法。デパートや公園、マンションなど子どもの日常生活における6つの場面を想定してあるため、実践的でわかりやすいのが特徴だ。

また、トラブルに直面した場合の子どもへの接し方や心構えなど、親への有効なアドバイスとなっている点も心強い。とくに巻末の「性被害のサイン」や「性被害を受けてしまったとき」はぜひ読んでおきたい資料だ。なかなか家庭では取りあげにくい話題であるだけに、親子で共に考えるきっかけづくりとして活用したい。(中島正敏)
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